最終更新日:2026年5月23日
顎関節症は歯医者で治せる?原因・症状・治療法を解説
口を開けると顎が痛い、口が開きにくい、顎を動かすと音がする。このような症状があると、「顎関節症かもしれない」「何科に行けばいいのか」と迷う方は多いと思います。
顎関節症は、顎の関節や周囲の筋肉に不調が出る状態です。原因はひとつに決められないことも多く、歯ぎしり・食いしばり、噛み合わせ、生活習慣、ストレス、頬杖などが関係することがあります。
歯科医院では、顎の動き、痛みの場所、噛み合わせ、歯ぎしり・食いしばりの有無などを確認し、必要に応じてマウスピースや生活指導、開口訓練などを行います。
新宿・代々木周辺で顎の痛みや口の開けにくさが気になる方は、当院の口腔外科も参考にしてください。

顎関節症とは
顎関節症は、顎の関節や顎を動かす筋肉に痛みや動かしにくさが出る状態をまとめた病名です。
顎の関節や周囲の筋肉に不調が出る状態
日本顎関節学会では、顎関節症の代表的な症状として、あごが痛む、口が開かない、あごを動かすと音がする、という3つを挙げています。
症状は顎だけに限らず、耳の下、こめかみ、首まわりの違和感として感じることもあります。ただし、似た症状が別の病気で起こることもあるため、自己判断だけで決めつけないことが大切です。
軽度でも放置せず症状を観察する
顎関節症は、命に関わるような病気ではないことが多い一方で、痛みや口の開けにくさが続くと食事や会話に支障が出ることがあります。
軽い音だけで痛みがない場合は経過を見ることもありますが、痛み、開口制限、悪化傾向がある場合は歯科医院で相談しましょう。
顎関節症の主な症状
顎関節症では、次のような症状が出ることがあります。
口を開けると痛い
口を開けると顎の関節やこめかみ周辺が痛むことがあります。大きく口を開ける、硬いものを噛む、長く話すと痛みが強くなる場合もあります。
口が開きにくい
指が縦に入りにくいほど口が開かない、朝起きたときに顎がこわばる、食事で大きなものが噛みにくい場合は、開口障害が起きている可能性があります。
強い開口制限がある場合は、早めに相談してください。
顎を動かすと音がする
口を開け閉めすると、カクカク、ジャリジャリ、ポキッと音がすることがあります。
音だけで痛みや開けにくさがない場合もありますが、痛みや動かしにくさを伴う場合は診察を受ける目安になります。
耳の下・こめかみ・首まわりに違和感が出ることがある
顎の関節は耳の近くにあるため、耳の下やこめかみの違和感として感じる方もいます。
耳そのものの病気、頭痛、首や肩の問題と区別が必要な場合もあります。
顎関節症の原因
顎関節症は、ひとつの原因で起こるというより、複数の要因が重なって起こることがあります。
歯ぎしり・食いしばり
睡眠中の歯ぎしりや、日中の無意識の食いしばりは、顎の関節や筋肉に負担をかけます。
朝起きたときに顎が疲れている、歯がすり減っている、頬の内側に噛み跡がある場合は、歯ぎしり・食いしばりが関係しているかもしれません。
噛み合わせの乱れ
噛み合わせの変化や、特定の歯に負担が集中する状態が、顎の不調に関係することがあります。
ただし、顎関節症だからといって、すぐに歯を削る治療が必要とは限りません。元に戻せない処置は慎重に判断する必要があります。
ストレスや生活習慣
ストレスや緊張が強いと、無意識に歯を接触させたり、顎に力が入ったりすることがあります。
パソコン作業中や集中しているときに上下の歯が触れている方は、顎の筋肉が休みにくい状態になっている可能性があります。
頬杖・片側噛み・横向き寝などの癖
頬杖、片側ばかりで噛む、うつ伏せ寝や横向き寝、大きく口を開ける癖なども、顎に負担をかけることがあります。
日常の小さな癖でも、続くと症状に影響する場合があります。
顎関節症は何科に行けばいい?
顎の痛みや口の開けにくさがある場合、まずは歯科・口腔外科で相談するケースが多いです。
まず歯科・口腔外科で相談するケース
口を開けると痛い、顎を動かすと音がする、噛むと顎がつらい、歯ぎしり・食いしばりが気になる場合は、歯科や口腔外科で相談できます。
歯科では、顎の動き、痛みの場所、歯のすり減り、噛み合わせ、口の開く量などを確認します。
耳鼻科や整形外科との違い
耳の痛み、耳鳴り、聞こえにくさがある場合は耳鼻科の確認が必要になることがあります。
首や肩、全身の関節の症状が強い場合は、整形外科や他科との連携が必要になることもあります。顎関節症と似た症状を出す別の病気がないかを確認することが大切です。
強い痛みや口が開かない場合の受診目安
痛みが強い、口がほとんど開かない、食事がしにくい、症状が悪化している、数週間続いている場合は早めに相談しましょう。
顎の痛みだけでなく、発熱、顔の腫れ、しびれ、強い頭痛などがある場合は、歯科以外の受診が必要になることもあります。
歯科医院で行う顎関節症の治療
顎関節症の治療では、まず顎への負担を減らし、症状の変化を見ながら進めます。

マウスピースで歯ぎしり・食いしばりの負担を減らす
歯ぎしりや食いしばりが関係している場合、歯科で作製するマウスピースを使うことがあります。
日本顎関節学会では、スプリントと呼ばれる装置について、睡眠時の歯ぎしりや食いしばりによる筋肉の緊張や顎関節への負荷を減らす目的があると説明しています。
市販品を自己判断で長く使うと、噛み合わせに影響することがあります。顎関節症の症状がある場合は、歯科で相談してから使いましょう。
噛み合わせを確認する
噛み合わせの確認は重要ですが、顎関節症だからといって最初から歯を大きく削るとは限りません。
日本顎関節学会の初期治療ガイドラインでも、元に戻せない治療を急がず、病態やセルフケアの説明を受けて対応する考え方が示されています。
開口訓練や生活指導
症状に応じて、顎の動かし方、開口訓練、筋肉のほぐし方、生活習慣の見直しを指導することがあります。
ただし、痛みを我慢して無理に口を開けると悪化することがあります。自己流で強く行わず、歯科医師の説明を受けてから行いましょう。
必要に応じて他科と連携する
症状が強い、長く続く、他の病気が疑われる場合は、専門医や医科と連携することがあります。
顎関節症に似た症状を出す病気もあるため、改善しない場合は再評価が必要です。
自宅でできるセルフケアとやってはいけないこと
自宅では、顎に余計な負担をかけないことが基本です。

顎を休ませる
上下の歯は、何もしていないときには軽く離れているのが自然です。仕事中やスマホを見ているときに歯を噛みしめていないか、意識して確認しましょう。
「歯を離す」とメモを貼るなど、癖に気づく工夫も役立ちます。
硬いもの・大きく口を開ける動作を避ける
痛みがある時期は、硬い食べ物、長時間の咀嚼、大きく口を開ける動作を避けましょう。
あくびをするときも、顎に手を添えて大きく開きすぎないようにすると負担を減らせます。
温める・ほぐすときは痛みを基準にする
温める、軽くほぐすと楽になることがあります。ただし、強い痛みがあるときに無理なマッサージをすると悪化することがあります。
痛みが強くなる動作は避け、迷う場合は歯科医院で相談してください。
割り箸や強いマッサージなど自己流矯正は避ける
インターネット上では、割り箸を使う方法、顔の歪みを自分で戻す方法、強く押すマッサージなどが紹介されることがあります。
しかし、自己流で顎の位置を変えようとしたり、強い力を加えたりするのはおすすめできません。顎関節や歯に負担がかかることがあります。
顎関節症の治療費と保険適用
顎関節症の治療費は、検査内容や治療内容によって変わります。
保険適用になる治療
顎関節症の診察、検査、投薬、マウスピース作製などは、症状や診断に応じて保険適用で行えることがあります。
実際の費用は、保険の負担割合、検査内容、装置の種類によって変わります。
マウスピース作製の費用目安
保険適用でマウスピースを作る場合、自己負担額は数千円程度になることが多いですが、医院や検査内容によって変わります。
正確な費用は、診察時に見積もりを確認してください。
自費診療になる場合
美容目的の治療、特殊な装置、矯正治療、噛み合わせを大きく変える治療などは、自費診療になることがあります。
顎関節症の症状改善が目的なのか、歯並びや見た目の改善が目的なのかで費用が変わるため、事前に説明を受けることが大切です。
よくある質問
顎関節症は何科で診てもらえますか?
顎の痛み、口の開けにくさ、顎を動かすと音がする場合は、まず歯科・口腔外科で相談するケースが多いです。
耳の症状が強い場合は耳鼻科、首や全身の関節症状が強い場合は整形外科など、症状に応じて他科と連携することがあります。
顎関節症は何をしたら治りますか?
原因や状態によって異なりますが、生活習慣の見直し、顎への負担を減らすこと、マウスピース、開口訓練、薬物療法などを組み合わせます。
「これだけで必ず治る」と決めつけず、症状に合わせて歯科医師と相談しながら進めることが大切です。
顎関節症でやってはいけないことはありますか?
痛みを我慢して大きく口を開ける、硬いものを噛み続ける、強くマッサージする、自己流で顎を戻そうとする、割り箸などで矯正しようとすることは避けましょう。
また、自己判断で市販マウスピースを長期間使うのも注意が必要です。
顎関節症の初期症状は何ですか?
口を開けると顎が痛い、顎を動かすと音がする、口が開きにくい、噛むと顎が疲れる、朝起きたときに顎がこわばる、といった症状が出ることがあります。
軽い症状でも、悪化する、長く続く、食事に支障がある場合は相談しましょう。
まとめ
顎関節症は、顎の痛み、口の開けにくさ、顎を動かしたときの音などが代表的な症状です。歯ぎしり・食いしばり、噛み合わせ、ストレス、生活習慣、頬杖などが関係することがあります。
歯科医院では、症状や顎の動き、噛み合わせを確認し、マウスピース、生活指導、開口訓練、必要に応じた他科連携などを行います。
自己流で顎を戻そうとしたり、強いマッサージをしたりすると悪化することがあります。痛みや開けにくさが続く場合は、早めに歯科・口腔外科で相談しましょう。
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